2023.03.19
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地域をつなぐ×世代をつなぐ、地方創生型ワークプレイス『JRE Local Hub 燕三条』がオープン!

“ものづくりのまち”における地域課題の解決を目指し、JR東日本・燕三条駅に地方創生型ワークプレイス『JRE Local Hub 燕三条』がオープン! 同施設のプロジェクトに携わった関係者が参席し、華々しく行われた開業セレモニーの模様をお届け。

2023年2月17日、“ものづくりのまち”燕三条に、新たな情報発信基地が誕生。燕市と三条市の境界線に位置するJR東日本・燕三条駅の2Fに、地方創生型ワークプレイス『JRE Local Hub 燕三条』がオープンを迎えました。三条市とJR東日本が駅の地域拠点化を進めるアクションと連動し、運営パートナーに『EkiLab帯織』を手掛けた株式会社ドッツアンドラインズを迎えた本プロジェクト。地域に点在するものづくりの拠点を結び、新たなビジネスマッチングや人財育成を行うことで目指す燕三条の未来とは? 今回は、本オープン前日に行われた開業セレモニーの模様を、関係者のコメントとともにお届けします。

ビジネスマッチングの拠点を目指して誕生した新たなスポット

「もう何を言いたいかはわからないんですけど、何より『燕三条は最高だな』ということを、今日この場をお借りしてお話させていただけたらなと思います。そして『JRE Local Hub 燕三条』の開業にあたって、燕三条のいろいろな方に力を貸してもらえたことを、この場をお借りして感謝申し上げます」

2月16日、本オープンを前に報道陣へ向けて行われた開業セレモニー。関係者の口からさまざまな言葉が語られる中で、株式会社ドッツアンドラインズの齋藤和也代表取締役の言葉はとりわけ素直で、情熱的で、心を打つものがありました。そしておそらく“普段通りの作業着”でこの会に参席したその姿からは、このセレモニーに参加した多くの方々が、齋藤代表取締役の“工場の職人”であることへの気概を感じたことでしょう。

▲株式会社ドッツアンドラインズ・齋藤和也代表取締役

2月17日に開業を迎えた『JRE Local Hub 燕三条』は、“地域をつなぐ”“世代をつなぐ”をキーコンセプトに、新潟県燕三条地域の工場と国内外の企業をつなぐ、ビジネスマッチングの拠点を目指して誕生したスポット。2022年7月に三条市とJR東日本新潟支社が締結した『地方創生と地域経済の活性化に関する連携協定』に基づき、株式会社ドッツアンドラインズと連携して、今後は大きく分けて5つの事業を展開予定です。

  1. 燕三条の企業と全国各地の企業をつなぎ、新たなビジネス創発を目指すものづくりコンシェルジュ事業
  2. ものづくりを中心とした地域情報の発信
  3. 時間制シェアオフィス・コワーキングスペース事業
  4. 離れていてもひとつにつながる次世代会議室・空間自在ワークプレイス
  5. 課題発掘型人財育成プログラム「JRE STATIONカレッジ」

2月16日の開業セレモニーは、メディア公開の時間が近づくにつれて、地元のTV局や新聞社をはじめとした報道陣が続々と集結。その数の多さからも、この場所への“注目度”と“期待度”の高さが伺えました。

そして元々はびゅうプラザだった約200平方メートルのスペースを改装した場内に入ると、3月20日に正式オープンを迎える『燕三条こうばの窓口』のカウンター、そして奥に入るとソファと一体になったローラーコンベヤーや、ネオン管で“JRE Local Hub”のネームとナンバーが表示されたワークプレイスなどがお出迎え。ものづくりのまちにふさわしい、無駄な装飾のないインダストリアルな雰囲気の空間が広がっていました。

▲利用者同士でのコミュニケーションを促進するコワーキングスペース
▲WEB会議に最適な防音個室ブース
▲『空間自在ワークプレイス』は、 KDDI 株式会社と推進する、場所や時間にとらわれない多様な働き方やくらしの創出を目的とした『空間自在プロジェクト』から生まれたサービス

新しい時代が来る。燕三条のものづくりはさらに次のフェーズへ

開業セレモニーには、JR東日本新潟支社の小川治彦支社長、三条市の滝沢亮市長、そして株式会社ドッツアンドラインズの齋藤和也代表取締役が参席し、それぞれが取材陣を前にご挨拶。まずJR東日本新潟支社・小川支社長は、『JRE Local Hub 燕三条』に期待していることについてこう語りました。

「『JRE Local Hub 燕三条』は燕三条エリアに点在する多くの技術情報を集約して、首都圏をはじめとした多くの地域、あるいは世界に向かって発信し、新たな価値を生み出していく場にしたいと思っております。また、『空間自在ワークプレイス』というシステムをはじめとしたスペースにはデジタル機器を導入していて、燕三条の工場と首都圏などの事業者様を結びつけるマッチングの機能や、あるいは地域課題を解決するための人財育成にも取り組んでいきたいと考えています。駅という人と人が行き交う場で、さまざまな情報が交流・交差することにより、その中で新しいビジネスや新しいイノベーションが生まれていくことに期待しています」

▲JR東日本新潟支社・小川治彦支社長

続いて、三条市・滝沢市長は「開業おめでとうございます。というよりはありがとうございます!」という素直な言葉に続き、三条市として今年度に策定した経済ビジョンの内容を紹介しました。

「三条市では今年度、産官学が連携して経済ビジョンを作りました。まずひとつは、燕三条地域の技術力を基軸とした不易流行のものづくりをさらに発展させていくこと。もうひとつは人を大切にして、ウェルビーイングというコンセプトのもとで職場環境を改善させていくこと。そしてその技術力と職場環境というものを相互に交差させ、いい循環で“ものづくりのまち”燕三条を将来に向けて発展させていくというコンセプトの経済ビジョンを立てました。『JRE Local Hub 燕三条』はまさしくそのコンセプトにぴったりの場所だなと思っていますし、それが燕三条駅という、この地域の玄関口にあることを本当にうれしく思います」

▲三条市・滝沢亮市長

そして最後に、株式会社ドッツアンドラインズ・齋藤和也代表取締役が登場。「大事なことはすべて支社長や市長が話してくれたので、何を喋ろうかすごい悩んだんですけど……」とはじめたその語り口はあくまで自然体で、冒頭でも触れたように、話の節々からこの場所にかける想いが伝わってきました。

「この『JRE Local Hub 燕三条』を作るにあたって、本当にさまざまな方々に協力してもらいました。ここにある什器や、ここにある材料もすべて燕三条で作られたものです。すべて燕三条で完結するというのは、今までありそうでなかったんですよ。そしてそこにはドラマもあって、例えば溶接屋の社長が3人も集まって『これはどうやったらできるのか』を話し合ったり、準備期間を通じていろいろな方が『和也がやるなら協力するよ』と言ってくれたりもしました。今まで競争していた者同士が手を取り合ってひとつの場所を作れたことで、何かひとつのことをやろうとするときに、一緒にやろうと言ってくれる人が増えたんだなと。ああ、新しい時代が来るな、ものづくりはさらに次のフェーズに行くなと思いました」

そして最後に、小川支社長、滝沢市長、そして齋藤代表取締役の3名によるテープカットを実施。盛大な拍手と、3名それぞれの晴れやかな顔とともに開業セレモニーは幕を閉じました。

セレモニー終了後、少し安堵した表情の齋藤代表取締役に改めてメッセージをいただきました。

「『JRE Local Hub 燕三条』はスタートしましたが、全国各地の企業と燕三条にある企業・工場とのマッチングを担う『燕三条こうばの窓口』のオープンは3月20 日を予定しています。まずはそれまでにシェアオフィスとしての機能を通じて、来てくれるお客様の満足度を上げていきたいと思っています。改めて燕三条の工場が垣根を超えて協力してくれることを今回すごく感じましたし、『JRE Local Hub 燕三条』がこの燕三条駅という両市の境目にあることで、私たちは胸を張って燕三条を名乗ってやっていいんじゃないのかなと。今後この場所を通じて、燕三条のものづくりをどんどん発信していきますので、皆様よろしくお願いします!」

▲現時点ですでに燕三条地域の136社が登録している「燕三条こうばの窓口」は、2023年3月20日にオープン予定

『JRE Local Hub 燕三条』という新たな拠点とともに、日本を代表する“ものづくりのまち”は、未来に向けて動き出しました。それは齋藤代表取締役の言葉にもある通り、まさに燕三条にとって“ものづくりの次のフェーズ”であり、地域に根付く確かな技術力と比例して、その可能性は無限大に広がることでしょう。

text by ラスカル(NaNo.works)
Photos by 大石隼土

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